読書感想文(3千円の使いかた)

 久しぶりに次が気になってどんどん読み進められる小説だった。妹(わたし)、祖母、姉、祖母の友人のフリーター、母、妹(わたし)の順で話が進んでいくのだが、姉あたりからなんか面白くなってきた。姉がポイ活主婦だったからかもしれない。ここから一気に読んだ気がする。お金が絡んでいるからか、節約が絡んでいるからか、なんか面白い。妹以外の女性は専業主婦っていうところもなかなか良かった。

 家計簿は大事。記録するのが大事なんじゃなくて、その数字を見て何に使っているか把握することが大事。把握した後に予算を立てて、予算に対して実績がどんなものかを評価するのも大事。そうやって予算を実績に近づけていけば、予算による今後の見通しの精度が上がってくる。そういう作業が好きだ。

 祖母の友人のフリーターの主張に考え方が近くて費用対効果とか気にしてしまう。けど、祖母が言うように費用対効果なんて考えてたら子供は持てないし、そもそも自分はいない。それから、最後の方で、もっとこうしてあげたい、できるだけのことをしてあげたいのが親なのだ、という台詞があって、これは大多数の親がそうだよなと思った。

 あとがきが、またよくて、大金持ちの男性と結婚できればと思ったりするけれど、その男性が自分の好みでなくて手を触れられるだけでゾッとするようなら結婚できなくて、大金持ちで自分好みの外見で性格が合ってと言う運に恵まれるのは難しいっていうところの女性目線は自分に欠けていた視点であって、なるほどなと思った。

 自分がどんな人生を歩みたいか、自分がどうなりたいか、自分自身をよく知ることが何より大事。それがお金だけの人もいるし、その辺りは人それぞれ。こういう人いる、いそうっていう小説だったから面白かったんだと思う。この小説、映画とか映像化されたらかなり話題になりそうだけど、ないんだろうか。。