読書感想文(復活への底力)

 APU学長の出口さんの本。車いすにのられていて表紙からびっくりした。脳出血で倒れて、右半身に麻痺が残り、左半身で生活されている。半年のリハビリ入院、もう半年は自宅でリハビリ。これを経て学長に復帰、しかも単身赴任。


 脳出血後の話、リハビリについては全然知らなかった。1日に行えるリハビリの時間は限られていて、専門家である作業療法士理学療法士言語聴覚士などと相談して、自分が退院後にどんな生活を送りたいかという考えに沿って、リハビリ内容とそれに振り分ける時間を考えていくそうだ。

 自分がどんな生活を送りたいか、なんて自分のことを普段から考えてないと決められない。しかも麻痺が残って精神的に参っている状態でこれからの自分のことを決めなきゃいけない。そりゃそうだ、自分のことだから。けれど実際に自分で決めれるかな、なんでも人に決めてもらってきたような人生だ。自分のことを考えると不安。もっと自分のことを知らないとなあと思った。

 担当された作業療法士さんらのインタビューが載っている。出口さんは前向きに弱音も吐かず、取り乱すこともなかったそうだ。きちんと自分で生きてきたからなんだろうなと思った。


もう1つ考えたことは、人の体の耐用年数、特に男性は70年くらいでみといたほうがいいなということ。出口さんは73歳くらいで倒れられている。それまでは病歴がほぼなかったそうだ。ニュースでも70過ぎると色々問題になっている。肉体の問題だけじゃなく認知の問題でも。急に暴れたり、車の運転で重大な過失をしたり。70年間順調に稼動したらいい方なんじゃないだろうか。そこからは医療なり技術にものすごく頼ることになると思う。けれど、それは社会がよほど成熟しない限り、よほど豊かでない限り、その恩恵を十分受けるのは難しく、限られた人だけになってくるだろう。特に日本だと、今はマシだけど、これからさらに人口が減って、成長が鈍化士そうな国では難しそう。

あらゆるひとが生きやすい暮らしやすい社会づくりを、と書かれていたけど、本当にそうで、これを目指すのは大事。せめてみんなで認知しておかないと。70歳まではどんな暮らし、生き方をするか、したいか、もっと考えよう。だいたい決まってるけど、実行に移せてない。お金の問題。


いいこと書いてるな、と思ったのは次の2つ。

・学び続け知識を獲得することで思い込みの世界から脱することができる

・何が起こるかは誰にもわからないし、賢いものや強いものだけが生き残るわけではない。ただその場所の環境に適応したものが生き残る。そこでは運と適応が大切で、運とは適当な時に適当な場所にいることです。


ここ数年全然学びがたりてない。もっと本を読もうと思う。仕事での学びは、なんか期待できないし。

 

にしても出口さん、70すぎで高校生の娘いたり、退院後も単身赴任、奥さんよっぽど東京で仕事かなんかあるんかな?ていうところがんん?って思ってしまう。